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家族支援に重点
引きこもり厚労省初の指針「親の会」大きな一歩

平成13年5月8日厚生労働省は社会的引きこもり(大人組)への対応ガイドラインを、全国の市町村、保健所、精神保健センターに降ろす。(以下は埼玉新聞平成13年5月9日付けより)  

 厚生労働省が8日、家族への支援を第一に考えることを原則とした引きこもりのへの行政上の対策指針を初めて作成。同日、現場で導入するよう各都道府県に通知し、本格的な対策に乗りした。併せて社団法人青少年健康センターと共同で実施した実態調査についても発表した。厚生労働省の指針について、埼玉県で生まれた「全国引きこもりKHJ親の会」(事務局・岩槻市)の奥山雅久代表は「家族の相談が違い回しにされてきた現状を考えると、指針ができたことは評価したい」と話した。今後は予算に裏付けされた専門の保健婦、医師などの育成が課題になりそうだ。
 指針が国立精神、神経センター精神保健研究所を中心に全国の精神科医らが協力して作成。今後、全国の精神保健福祉センター、保健所、市町村に配布され、引きこもり対する具体的な対応、援助のガイドラインとして活用される。指針の最大の特徴は「本人ばかりでなく家族自身が困難を抱えた相談主体であり支援の対象」と位置付けたことだ。
 引きこもりの相談はこれまで、「本人を連れてこないと」と窓口で断られるケースも多かった。厚生労働省が家族支援を重点対策として打ち出したことで、相談機関の対応に大幅な改善が図られそうだ。
 行政上の明確な援助方針が示されたことは評価できるものの、「だから親が悪い」「親が甘やかしている」など親子論で片付けられる危険性は残されている。
この点についても、指針は
(1)引きこもりがだれにでも起きうる事態であること
(2)なまけや反抗でないこと
(3)過保護や放任など過去の家族の問題が原因とは決めつけない
(4)対処の仕方次第で解決できる問題ーとの援助の原則を明確にした

 援助上の技法については「家族の粘り強い長期的な取り組がどうしても必要」「次回の来所につなげることが最大の目標」など、かなり具体的な方針を提示。家庭訪問や家族、本人の居場所づくりついても言及した。
 今後は全国の精神保健福祉センター(56カ所)と保健所(641カ所)が、指針に沿った援助法の具体化を図ることになる。
 ただ、各援助機関はさまざまな相談業務に忙殺されているのが現状。予算に裏付けされた専門家の養成を急がないと、指針は絵にかいたもちにすぎなくなる可能性も高いとの指摘がある。
専門家養成予算化を 「全国引きこもりKHJ親の会」の奥山雅久代表は8日、厚生労働省の指針について「大きな一歩だ。指針の対応をさらに進め、引きこもりの当事者がこの世に生きてよ
かった、と思える社会にして欲しい」と話した。
 奥山さんは「孤立、閉塞(へいそく)状況に置かれた家族が駆け込んだ場合に、具体的にどう対応してくれるのか注目したい」と、保健所など現場の変化を期待。
 「手間がかかる難しい問題だけに、専任の保健婦、ソーシャルワーカー、医師の養成を早急に予算化してほしい」と訴えた。
 「親の会」には4月末時点で全都道府県から計1,520家族が入会。全国に14支部が結成され、引きこもりの自立に向けた社会と家庭の中間施設の確保などを目指している。
 また、超党派の国会議員向けに引きこもりの勉強会を開くなど、この問題に積極的にかかわる本県選出の土屋品子衆院議員(13区、岩槻市、春日部市など)は8日、「これまで窓口が不明確だった家族にとって、以前より相談しやすくなる」指針を評価。
 「相談後の治療体制の整備と、関連機関との緊密なネットワークの構築が必要。文部科学省など関連省庁にも働き掛けていきたい」と話した。
 引きこもり
 学校や勤め先になどに行かず、長期間自宅に閉じこもって社会参加しない状態。人間関係のトラブルがきっかけのひとつとされるが未解明な部分が多い。不安・無気力状態が続き、家庭内暴力や自殺など反社会的行為に及ぶこともある。「6カ月以上にわたり社会参加しない状態」とする専門家もいるが、「必ずしも状態ではなく他人への信頼感の欠如など内面の問題を指す」との見解もある。

 
 
☆臨床医
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