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2016年度長期高年齢化したひきこもり者とその家族への効果的な支援及び 長期高年齢化に至るプロセス調査・研究事業


平成28年度厚生労働省社会福祉推進事業

長期高年齢化したひきこもり者とその家族への効果的な支援及び長期高年齢化に至るプロセス調査・研究事業

このたび、平成28 年7 月から平成29 年3 月まで、厚生労働省の社会福祉推進事業の 助成を受け、ひきこもり長期高年齢化(主に40 代以上)の現状と課題を明らかにするために、下記の調査を実施いたしました。

【調査目的】
2010 年代に入り、各地の調査から「ひきこもり」の長期高年齢化が指摘されるようになりました。40 代を超えるひきこもり状態の人については、従来の思春期問題や若者問題の 枠組みにとどまらない理解や支援が必要になるように思われます。
平成27(2015)年度からは生活困窮者自立支援法が施行され、各地の困窮者相談窓口に「ひきこもり」状態にある人の相談が持ち込まれています。実際に両親の介護や、両親と 本人双方の健康上の問題、経済的困窮などにも対応が必要な事例が多く確認されています。
一方で、ひきこもり自体については「対応の仕方が分からない」という声も窓口から聞かれ、ひきこもり支援の専門性と、地域の多様な社会資源を融合した解決力の構築が求めら れているといえます。
事業では、複合的な背景を持つ社会的孤立の事例に対し、ひきこもり支援と多様な福祉分野の融合を図ることを目的として調査を実施しました。

【調査結果概要】
(1)生活困窮者の自立相談支援窓口におけるひきこもり対応に関する調査について
全国約1300 か所の自立相談支援事業の窓口のうち、215 窓口を抽出、151 窓口から回答を得ました。151 窓口のうち、86.1%でひきこもり事例に関する相談を受けていました。 対応したことのある本人の年齢層において40 代を上げる窓口が最多(62.3%)でした。
窓口が連携した関係機関として、「ハローワークなど就労関係窓口」(49.0%)、「福祉事務所(生活保護担当部署)」(46.4%)、「行政の障害担当部署」(37.3%)、「保健所・保健セン ター・精神保健福祉センター」(36.4%)が多く挙がりました。その他高齢者関係の機関・施設など、多岐にわたる窓口や機関との連携が行われています。
支援の結果生じた変化としては、「就労の開始」(40.4%)、「自立意欲の向上・改善」(39.7%) が多く挙がりました。 ひきこもり対応に際しての困難として、本人と会うことの難しさ、本人とのコミュニケーションの難しさなどが挙がりました。 今後必要な支援の手法として「居場所」(56.3%)や「家族会・家族教室」(33.1%)などが挙がりました。

(2)KHJ 家族会における長期高年齢事例の調査
全国のKHJ 家族会支部から、40 歳以上のひきこもりの子どもがいる家族に事例を募り、61 例の聞き取りを実施しました。ひきこもり状態になった年齢の平均は22.9 歳。現在の年 齢は40 代前半が最多でした。
就労経験がある事例は46 事例(75.4%)でした。特に20 代前半までにひきこもりが開始されている場合、職場に定着したと考えられる例は多くなく、20 代の就労で何らかのつ まずきを経験し、その後長期にわたってひきこもる例がひとつの典型であると考えられます。一方で20 代後半以後にひきこもりが開始されている場合は職場に定着して働き続けた 経験がある人が多くいました。
多くの家族は病院(40 事例、65.6%)をはじめ何らかの窓口に相談した経験がありますが、しかし支援が開始されたものの途中で断絶したというエピソードも26 事例(44.8%) で確認されました。

【調査結果詳細】
さらに詳しい内容につきましては、詳細資料(報告書)をご覧下さい。(PDF版:2.4MB)

平成28年度長期高年齢化報告書表紙

報告書(冊子)をご希望の方は、「送料実費」にてお送りいたします。
電話(03-5944-5250)、メール(info@khj-h.com)にてご連絡ください。

お問合せ
特定非営利活動法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会
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Tel:03-5944-5250 Fax:03-5944-5290 E-mail:info@khj-h.com
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愛知教育大学准教授 川北稔
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