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KHJジャーナル「たびだち」96号(2021年冬季号)から、武田鉄矢さんと父親代表の座談会記事の一部をご紹介!


[座談会]武田鉄矢と当事者たちと池上正樹
ドラマ「こもりびと」に見る父親像
「構造の変化でできた段差の中に、ひきこもりの問題があるのでは」

武田鉄矢さん
昨年11月22日、NHKでひきこもりの子を持つ家庭を描いたスペシャルドラマ「こもりびと」が放送され、反響を呼んだ。その一家の父親・一夫を演じたのが俳優の武田鉄矢さん。自らの過去を振り返り、父親として大事な気づきを得ていく姿に自分を重ね合わせた親たちも多かったようだ。そんな父親を熱演した武田さんに演技を振り返ってもらい、ひきこもる子を持つ父親たちや本人、ドラマの監修に協力した池上正樹と語り合った。

武:武田鉄矢氏 / 池:池上正樹
〈父親代表〉須:須賀啓二 / 古:古関達夫


 今回、武田さんが演じた「一夫」というキャラクターの設定はすごく難しかったのですが、武田さんの考え方とはまた違うキャラクターだったのではないですか。

 演じながら思ったんですが、あれは普通のお父さんですね。あそこまで思い詰めて父親をやっている彼が、なぜ息子から報われないのかというのは演じながら考えていましたね。

 ドラマの最後に橋の上で、「生きてるだけでいいんだよ」と父親が息子に向かっていいますね。自分も子どもとの関係が厳しい状態の時に、ああいう一言が言えなかったのかと感じました。学校の先生でもああいう対応をするのであれば、一般の親はうまくできなくてもしょうがないと思いました。

 ドラマで親が子どもに向かって「生きているだけでいいんだ」と言っていますが、あんな言葉、なかなか出てきませんよ。私はあのドラマの中で、一番好きなセリフは、一夫さんがいう「おまえと話がしたかった」。あのセリフが精一杯じゃないですかね。

 わが家にもひきこもりの当事者がいます。20年前に子どもがこもり始めた時に一夫さんと同じことをやったなあと思って見ていました。ただ、ドラマではお父さんが病気になって、亡くなってから立ち直るというような筋立てになっていますね。これが現実だとすると、自分が生きている間に、子どもは立ち直ることできないのかなあと、ある意味では、ガックリした部分もあるんです。

ドラマでは、何か一つ希望をほのめかしながら死んでいったほうが大団円になるんですが、一夫さんにとってはそうならなかった。でも、そこがリアルだったという人が多いんですよね。お父さんは生きているうちは報われなくて、死んだ後、わずかに希望の光が見えただけ。

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